[談_with]

石川貴×友添成隆

イメージ的には対照的な業界であるが、実際にはどうなのか。単純にアナログとデジタルとに2分化できるものなのか。
「IT」と「自然との共存」に共通点があるのか。



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お断り:肩書きは取材時(2006年4月20日)のものです。

石川氏:学生時代は将来起業しようとはあまり考えていなくて、どこかの企業で「のしてやろう」ぐらいの考でしたね(笑)。いつか一国一城の主になりたいなとは思っていました。転職も多く経験しましたが、それは常にベースにありました。

友添:僕も大学時代から社長になりたいと思っていたわけではなくて、大学を出てサラリーマンで機械設計をやっているときに、自分が頑張ったモノに対する評価基準に納得できなくて、頑張っても最終的に技術部長止まりだなぁ、それなら自分でやったほうが面白んじゃないかと思ってました。

石川氏:急に自分でやっちゃったんでしょ(笑)。

友添:そうですね、そう思った瞬間に、会社辞めて自分で始めていました(笑)。

きっと僕は、誰かの部下で「言われたとおりにやれ!」という環境の中で続けていくのは向いていないと思っていたのは確かです。

ただ、今のままIT会社の社長をずっとやっているかというと、そうではないだろうと思っています。10年後、48とか50歳になったときに、本当に日々変化するIT業界でリーダーになる人は、もっと若くて感性を持った人間がやらないといけないと思います。

その時には、自分はまた新しい事業が出来るようにしていたいですね。

石川氏:私は次に何をやるかどうかは決めてないです。

だけど、「雇われ社長」ってすごく気に入っているんです。今や、企業のサラリーマン社長って全権を持てるじゃないですか。しがらみとかが随分少なくなっている。

その分スピードが求められる。だから、雇われている方が好きなんですよ。そしてまた次の「雇われ社長」にバトンを渡してあげたい。

友添: 社長業を終えられた後はどんなことをしたいと思われています?

石川氏:私、起業する気ってほとんどないんですよ。次もぜんぜん関係ないマーケットで、また雇われ社長とかやれたら楽しいかなと思っています。企業は自分で作ろうと思ってないですね。もしくは、アメリカンフットボールの監督とか、貯金の許す範囲での喫茶店のマスターとか(笑)。

一人で何かをやるか、雇われ社長か。自分で仲間を募って、それを株式会社化してとかは、あまり思わないですね。

川氏:僕は、新しいことを考えるのが好きじゃないんですよ。正確に言うと全く新しいものをゼロから考えるのっていうのが得意じゃない。

むしろ嫌いとも言えます。子供のころから、白い紙をもらって「自由に書いて」って言われても全然面白くなかった。

どちらかといえば写生大会が好きでしたね。上手く書くこととか、よりよくしていくことにこだわるのが好きなんですよ。

友添:極めていくのが好きなんですね。

石川氏:そう。仕事でも、「何か新しいことを考えろよ」みたいに言われるのって、えらく困ってしまうんですよね。マーケティングでもしようかなと思って本読んだりしても、全然喜びが沸かない。

それより既存のモノを良くしていくとか、より研ぎ澄ませて、次の仕掛けを打とうとかを考える方が大好きでね。だから自分で雇われ社長が向いているなと思うんです。

友添:そういう意味では全くタイプが逆ですね。

石川氏:うん。だから友添社長とは、多分喜びの観点が違う。仕事の進め方がどうのじゃなくて、人間としてタイプが違うんだなって凄いよく分かる。そこがね。一番友添さんの魅力というか。僕に出来ないことをやってくれる人。僕は僕で行きたい道と、やりたいものがある。だから友添社長に日ごろから言っているけど、「やりたいようにやればいい」と思うんですよ。だって一番その方が輝くし、燃えるし。グループ会社の社長だからと言って、同じ経営者風になる必要はないと思う。

友添:僕は石川社長の「話し方」がすごく魅力的だと思っています。今までいろんな話術の長けた人をたくさん見てきて、それは例えば声とか、話し方の持って行き方とか、その雰囲気を作りこむことがすごくうまいとか。でも、石川社長は、ごく淡々と普通に語っているのに、人をどんどん引き込むパワーがある。

最初の社長就任の挨拶を聞かせていただいたときに感じたんです。それ以降、淡々と相手を引き込む話術ってあるんだな、と凄く感心しました。

これは石川社長自身の魅力と、持論をきちっと持っているからこそなんでしょうね。

石川氏:実はね、その淡々とした口調については、えらいショックを受けていることがいっぱいあって(笑)。

小学校の時、初めてカセットテープで自分の声聞いたとき、愕然としましたね。信じられないと思いますけど、自分では一生懸命早口でしゃべっているつもりだったんですけど(一同笑)。

石川氏:私は圧倒的にアナログ派。システム化をし過ぎることに関しては、ネガティブなんですよ。物事は、常に思考ありき、ロジックありき、汗水ありき。賃貸不動産の本丸の業務はベタだから、そこには必要以上のIT化は必要ないと思うんです。でもそれ以外のところは、賃貸不動産業務だからこそIT化すべきだと思います。管理業務、集金管理、物件検索から物件にたどり着くプロセス、全部IT化してあげるべきだと思いますね。最後の局面例えば店頭だけは、ハートトゥハート。そうすべきだと思っています。

友添:私も同じですね。IDUさん(※1)は、透明性、公平性をうたわれています。今までの不動産屋ではない不動産屋がどんどん出てくる中で、従来の考え方だけを貫いていこうとする会社は遠からず淘汰されていくはずですね。

株式業界IT化でデイトレードが一般人に降りて来たようにです。例えば、賃貸業界では当たり前の、「物件住所を教えないまま仲介」というのが、本当に続くんだろうか、という発想を持つか持たないかだと思います。そして、そういうところに誰が最初にメスを入れるかだと思いますね。

(※1)IDU-株式会社アイディーユー

石川氏:不動産業界は、体系化する、システム化するっていう部分が欠けているから、他の業界に比べて遅れちゃったんですよ。質を高めると言っている割には、わが身大事で、新しいことへの挑戦はしない。住所データを見せない、なんてことが起こる。住所データがオープンになったがゆえに淘汰されたら、それはそれまでの、サービスなんですよ。

友添:その再編が本当そこまで来ているような気がします。

石川氏:飛行機が作れたのに、飛行機が登場すると大変な事になっちゃうといって、自動車メーカーが飛行機をずっと倉庫の中に隠しておくようなもんですよ(笑)。

別に飛行機ができたって、自動車は売れるのにね。いつまでも、やったほうがいいものを隠しているなんて、人類の進化的にありえない。今はもうディベロッピングも街づくりも、部屋のつくりも全部概念が変わってきているんです。あと10年ぐらいでしょ。正しいことやらないとマーケット自体が淘汰されますからね。

友添:今までもエイブルさんと、CHINTAIグループはそういったパイオニアでやってきたのですから、先陣を切ってこういったことに今後もどんどんメスを入れたいですね。

石川氏:もちろん。絶対にIT化は「ブレイクスルー」というか、一瞬それを破壊するぐらいのインパクトがなきゃいけないと思う。もうどこの業界だって当たり前のことが不動産業界はできてないことだらけなのだから。見せ付けてやらないとね。

プロフィール:石川貴(いしかわ きよし)氏 1969年東京生まれ。1992年、三井住友銀行入社。その後転職し、2001年、株式会社賃貸住宅ニュース社(現:株式会社CHINTAI)へ入社。2005年6月株式会社CHINTAI代表取締役社長に就任、現在に至る。

 

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